9月号 がむしゃら1500キロに想う 私の仔猿ライフの原点
少年は旅にあこがれる。 理屈なんて必要ない。
確か中学生の頃、その本をラジオの朗読番組のようなもので知った。
自分と同年代の浮谷 東次郎という少年(金持ちの息子)が、関東から大阪までのツーリングにでる。
青臭いけれど、主人公がその旅を通して感じた心境が綴られている。
何回かに分けて放送されたそれを、楽しみに聞いていた記憶がある。
学区内しか行動範囲のない自分には、その距離が全く分かっていなかった。
ましてや、それが自分が生まれる前の話で、本の発行は自分の生まれた年だったなんで、知るわけもなく。
ただ、ただ、自分と同世代の少年が旅をする、その冒険のような話に胸躍らせていた。
人生のふるいに引っかかったもの
その本は少ない小遣いを使い本屋で買い求め、何度も読んだ。
あれから幾度かの引っ越しを経て、色々なものを処分してきた。
仔猿 Z31Aが気になった時、この本のことを思い出した。
本もだいぶ処分してきた。
手元に置いてある記憶もない。
けれど、それはあっさりと見つかった。
人生のふるいの中でこの本は残っていた。
いつの自分も大切な想いとして選り分けてきたらしい。
いま、Z31Aに心躍らせている。
この本のように、長いつき合いになるだろうか。