3月号 『海辺を嗜む』ワインディングと牡蠣フライ

昔読んでいたツーリング雑誌にはしまなみ海道と北海道が季節の定番で特集されて、何時かは走ってみたいと思っていた。

 

北海道は行くことができたけれど、しまなみ海道は関東からは遠くてあきらめていた。

仕事で関西圏に越してきたころには旅をする事に飽きていて、憧れのしまなみ海道を走ることなくバイクを手放してしまっていた。

 

行こう。

しまなみは無理だけど、瀬戸内の海岸線ならば射程圏内だ。

 

道の駅みつから万葉岬付近までのルート。 片道約9キロ。

折り返して道の駅に戻ってきたら、昼食に牡蠣フライを頂く。

 

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休日は大変混雑する道の駅も平日のこの時間は人もまばら。

早速車から仔猿を降ろして準備する。

ガソリンがの残量がちょっと少ないかもしれない(汗


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 入り組んだ海岸線は軽いアップダウンを繰り返す。


この流れる景色は2輪特有のものだと思う。それは、どんな凄腕のカメラマンでさえも写真に納めることは不可能なのでは無いだろうか?

そうでなければ、こんなに胸が踊る理屈が通らない。

それこそ、ツーリング雑誌の写真に想いを馳せて、こうして走らずにはいられなかったこの瞬間が揺るぎない証拠だろう。


折り返し地点に決めていた展望地に差し掛かったとき、もう少しだけ先に進もうと思った。


コーナーを一つ抜ける。


万葉岬の標識にウインカーを出していた。

あ…直感的に解った。

峠だ。


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明らかに一山越える造りの道。


ぐいぐい高度を上げる。

この前のダム湖なんか比ではない。

それでも仔猿はトコトコ登り、隙あらば加速して走り出す。


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岬からは、瀬戸内の複雑に入り組んだ海岸線と島々が浮かぶ穏やかな海が見渡せた。


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柵の無いところで一枚。

写真奥の海岸線には、ドッグに大きな船が2隻収まっている。


買っておいた缶コーヒーで一息入れたら折り返し。勿論、空き缶はお持ち帰りする。


すれ違うバイクが増えてきた。

ふと、想う。

ピースサインは返ってくるだろうか?

昔からのツーリングライダーならご存知と思う。

すれ違うライダーの挨拶。


さすがに試す勇気はなかったけれど(笑


道の駅まで0.3キロの標識を過ぎた瞬間、エンジンが止まった。


ガス欠だ(笑

歩ける距離で良かった。


多分、タンク内のフレームを跨いでいる反対側にガソリンが残っているはず。

仔猿を軽く起こして、ガソリンを燃料ホース側へ。

掛かった(笑


そのままなんとか走りきって、道の駅に到着。

ライダーから一斉に視線を感じる(笑


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走行距離は19.35キロ。

短い距離だけれど、美味しい所だけ走れるのは仔猿+車の成せるところ。


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最後はお楽しみの牡蠣フライ定食を頂いて、帰路に着くとしよう。